独立開業した。
2010年6月弱冠31歳での開業だった。
間違いなく売れる!繁盛する!そう信じていたのでハローワークからきたアルバイトは3人も雇った。
万全の体勢でオープン。
初日はスープの調子もよく、客の入りもかなり良かった、しかしチャーシューやラーメンのタレはまだ若い味(新しい店っぽい)がする。
なぜなら毎日漬け込んでチャーシューにも醤油ダレにも旨味が染み渡っていくから。
初日は無事に終えたが、電車通勤しようとしていたのだが片付けが終わらずに初日から店に泊まる羽目に、、2日目から何とかうまく閉店後片付け作業をうまくやり終える事ができた。
一週間を過ぎた頃、疲れはピークに。。
何せ休みなしで働いたのだから。
全部の曜日を通してやってみて、一番暇な曜日を定休日にしよう、そう思っていたから。
しかし、月曜日はわりと忙しい、火曜日は美容室が休みなので美容師の友達がこれない、金曜日は忙しい場合が多い。
となると水曜日か木曜日が定休日になるだろうな、、そう踏んでいたので定休日は木曜日となった。
開店した頃に嬉しい知らせが妻からあった。。
妊娠したのだ!
結婚5年にしてようやく第一子を授かった、予定日は1月くらい。
益々頑張らねばならなかった。
そんな嬉しい事もあり、営業に必死になった。
とにかく美味しいラーメンを作る事に必死だった、特別な独特な作り方をしていたのだが(その手法はまだ秘密)それを突き詰めすぎて逆に臭みが強くなってしまっていた。。
しかも、それに気がつかなくてしばらくスープが良くない状態で営業を続けてしまっていたのだ。
そんなある日食べログに酷評されてしまった。
その頃は食べログの評価を世間は気にしていた時代だったので、ショックだった。。
1日店を閉めて再び研究をした。
すると、豚骨をスープにする過程でやり過ぎな工程を発見! 「やり過ぎだった!旨みを出そうとしすぎてやり過ぎてた!」
そこから改良を重ねて味は抜群に良くなった。
しかし、場所は良くないし宣伝も知識もなかったので、どうやって繁盛させるか?わかっていなかった。
「味はいいのにあまり繁盛しない、、」
そう、思っていたが常連さんや友達からは「味はいいから、いつか売れる!まだ知名度がないだけ!」と励まされていた。
だから調子に乗って余裕こいて「いつか売れる」と思っていたのかもしれない。
余裕こいていた時期もあった。
営業終了したらさっさと片付けして帰ったり、余裕があるならば新商品の開発やラーメンの研究をしたり、宣伝や立地の悪い店へどうやって客を引き込むか勉強すれば良かったのに、営業終了後に店にある漫画を読んだり(開店祝いに友達にもらった漫画など)無意味なネットサーフィンなどしてた時期もあった。
朝から晩まで、朝6時半から0時くらいまで毎日働いていた。
しかしエアコンが効かなくて業務用エアコンを買ったり、、なんやかんやで出費はするくせにそれほどの売上にはならない。。
収入はかなり厳しかった、、
それでもギリギリの状態で続けた。
開店から半年と少し12月末に待望の第一子である娘が産まれた。
頑張らねば!
そう思い営業を続けた。
fuga A.Oは32歳で初めて父親となった。
ラップは休止してちょうど一年くらいたっていた。
必死で独立開業したラーメン屋で奮闘していた。
■■続く■■