2009年一年間のソロラッパー活動は思ったよりも良かった。ライブも何だかんだできたし、ソロの曲も増えた。
しかしラーメン屋を独立開業する為にライブ活動の休止を決めた。
ライブはオールナイトのイベントが多いし、疲れもたまる。
曲の練習もしないとならない。
仕事をしながらだと仕事とライブだけで生活がいっぱいいっぱいになる。
それでは独立開業の準備はできない。
だから一旦休止とした。
2009年の12月に最後のライブを渋谷ルイードK2で行い、それからしばらくはクラブやライブハウスにもいかない生活が続いた。
2010年まずは物件を探した。
インターネットの物件探しサイトに登録したり、空き店舗を探す事から始める。
それをきっかけにまず内覧に行く、手軽なのは居抜き物件だ。居抜き物件とは店舗や事務所などの設備をそのまま譲り受ける物件のことだ。
飲食店の場合は調理設備や冷蔵庫などそのまま使えるので開業費が大幅に抑えられるのだ。
そうじゃない場合はキッチンの工事や調理器具や冷蔵庫の購入などで、莫大な開業費がかかる。
居抜き物件を中心に物件を探した。
内覧をするとインターネットには載っていない不動産屋しか知り得ない情報もあるので、その紹介でまた内覧を繰り返した。
保土ヶ谷のラーメン屋、平沼橋のスナック、東山田の中華料理屋、綱島のラーメン屋、町田のお好み焼き屋、町田のラーメン屋、、相鉄線沿いの店舗などなど。
中々見つからない、、
場所は悪くないけど2階建てだったり、家賃が高かったり、安くて居抜き物件だけど場所が悪かったり。。
そんなこんなで4ヵ月が過ぎた。
2010年3月にアルバイトからお世話になったラーメン屋を退職。
その頃に物件は決まると鷹を括っていたからだ。しかし、まだ決定的な物件は決まっていなかった。
はっきり言って焦っていた。
そりゃそうだ。仕事をしない=収入がないのだから。
かなり、多くのダメダメ物件を見すぎたせいかハードルはかなり下げられていた。
駅から徒歩5分以内で居抜き物件を理想として探していたが、駅から徒歩10分でもいいや、、
完全な居抜き物件じゃなくてもいいや、、
と妥協が始まった。
居抜き物件も良い事ばかりではない、なぜなら潰れた店の後釜であるから、その店に潰れる問題があるという事だ。
よほど運が良い場合じゃないと居抜き物件で良い場所などまずない。
そしてある日鶴見の物件を見に行った、商店街にほど近く駅から歩いて8分くらい。
元は焼酎バーだった店の物件を見つけた。
カウンターだけで11席
キッチンは簡単な設備しかなかったが、場所と家賃、広さなどはラーメン屋としてちょうど良かった。
「これだ!」
直感で決めた。
今思えば焦りで冷静な判断ができてなかったのかもしれない。
「少し場所が悪くても自分ならイケる!」
変な自信があった。
■■続く■■